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2013-05-25 Sat 16:16

auの“厳選”夏モデルとエリア誤表記の関係/Google I/Oから垣間見えたメッセージ




"夏モデルはスマートフォン4機種をラインアップ。左から「AQUOS PHONE SERIE」「ULBANO」「Xperia UL」「HTC J One」"  5月13日から24日の2週間にかけての大きなトピックは、ドコモとKDDIが相次いで、夏商戦に向けた新端末、新サービスを発表したことだった。また、海の向こうの米国では、これらの端末のベースとなるOSのAndroidを開発するGoogleが、開発者向けイベント「Google I/O」を開催。事前にウワサの飛び交っていたNexusシリーズの新モデルやAndroidの最新バージョンは公開されなかったが、Googleマップや「Google+」を刷新した。

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 こうした新たな取り組みが次々と登場する一方で、21日には消費者庁が、KDDIのiPhone 5に関するLTEのエリアのカタログなどへの記載について、景品表示法違反の措置命令を下した。これを受け、KDDIは2.1GHz帯・10MHz幅(下り最大75Mbps)の実人口カバー率を14%と発表。よりエリアの広い2.1GHz帯・5MHz幅(下り最大37.5Mbps)の実人口カバー率が非公開だったこともあり、情報は今も“独り歩き”している。そこで、今回の連載ではKDDIの夏商戦に向けた取り組みを考察するとともに、改めて同社のエリアについても言及していく。ニュース性という意味ではドコモの夏モデルにも触れたかったが、Google I/Oに参加していた筆者は発表会に参加できていないため、周辺情報を折りこむ程度にとどめておきたい。また、Google I/Oから見えた、同社の姿勢の変化も取り上げていこう。

●“厳選”の4機種を発表したKDDI、初心者を手厚くサポートする新サービスも

 KDDIは20日、夏モデルや「スマートフォンとリアルな生活のリレーション(関係)を強化する」(代表取締役社長、田中孝司氏)新サービスを発表した。新モデルは「HTC J One HTL22」「Xperia UL SOL22」「AQUOS PHONE SERIE SHL22」「ULBANO L02」の4機種。新サービスは「auスマートサポート」や、「auスマートパス」のリニューアルとなる。

 昨年の夏モデル「HTC J ISW13HT」からコラボレーションを続けていたHTCとは、引き続き関係を継続。グローバルモデルの「HTC One」をベースに開発したのが、HTC J Oneだ。アルミを全面に使ったボディや、ピクセル1つ1つの面積を大きくして暗所での写りをよくしたカメラといった特徴はそのままに、赤外線やおサイフケータイ(FeliCa)、ワンセグなどに対応。ニュースやSNSの情報を一覧できる「HTC BlinkFeed」にauスマートパスの情報を組み込むなど、HTC J Oneではコンテンツ面での協力関係にも踏み込んだ。

 一方で、HTC関係者によると、HTC J Oneは過去のコラボレーションとは位置づけが異なり、「グローバルモデルを日本の仕様に合わせて持ち込むもの」というコンセプトになっている。確かに初代HTC Jや「HTC J butterfly HTL21」のように、筐体のデザインまでは日本仕様になっていないことからも、そうした考えが見て取れる。HTC J butterflyや「INFOBAR A02」で対応した防水を見送ったのもそのためで、グロバール版に近いアルミの金属ボディを優先した結果だ。KDDI関係者によると、このボディで防水を実現すると、あと数ミリ厚くなり、コンセプトが崩れてしまうという。ただ、HTCとしては日本市場に特化した端末の開発をストップしたわけではなく、「あくまでパラレルで進めていく」(HTC関係者)という方針のようだ。

 ドコモの春モデルで“イチオシ”として高い人気を誇った「Xperia Z SO-02E」に近い機能を持つ、ハイエンドなスマートフォンがXperia ULだ。Xperia ULは「日本独自の端末で、ベースとなるグローバルモデルはない」(ソニーモバイル関係者)という。Xperia Zや、同じくドコモの“ツートップ”に指定された「Xperia A SO-04E」とは違い、あくまでau専用モデルという位置づけのようだ。

 5インチ、フルHDの高精細なディスプレイを採用し、ソニーの持つカメラや音楽の技術を惜しみなく注ぎこんだ1台となる。Xperia Zとの大きな違いは、背面がガラスではなく「インモールド加工」を採用した素材になっていること。これによってBlackのマットな手触りや、Whiteのパールのような輝き、Pinkのビビッドなカラーを実現している。ラウンド形状になり、画面下のスペースがXperia Zより狭いため、手に取ったときの印象もXperia Zとは大きく異なる。ワンセグ用のアンテナを内蔵しているのも、Xperia ULならではの部分といえる。

 ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの大手3キャリアすべてに端末を提供しているのが、シャープだ。KDDI向けにはAQUOS PHONE SERIEを導入する。シャープは以前から「キャリアごとの差をしっかり出す」(シャープ関係者)方針で、ドコモ向けの「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」はフルHDのIGZO液晶を、ソフトバンク向けの「AQUOS PHONE Xx 206SH」は5インチ、フルHDの液晶とフルセグを売りにしている。対するKDDI向けのAQUOS PHONE SERIEは、ズバリ“バッテリーの持ち”が差別化のポイントだ。

 ディスプレイの解像度はAQUOS PHONE ZETAとXxに劣る720×1280ピクセルだが、その分、描画にかかるパワーが少なくて済む。バッテリーが3080mAhと大容量なことも相まって、「IGZOで驚きの3日間」というキャッチコピーを打ち出している。実際の利用環境にもより、ヘビーに使えば3日には持たないと思われるが、少なくともシャープが今シーズン投入するモデルの中では、断トツの駆動時間を誇ることになりそうだ。他機種に搭載されている、F1.9の明るいレンズも搭載する。

 京セラはURBANOをラインアップ。スマートフォン初心者や、シニア層に向けて、フィーチャーフォンのようなホーム画面「エントリーホーム」を内蔵。パネル全体が振動する「スマートソニックレシーバー」など、京セラ独自の技術も採用している。4機種の中では唯一ハードキーを搭載しているのも特徴で、タッチパネルだけでの操作が不安という声にも応えた1台に仕上がっている。

 初心者向けの機種をラインアップする一方で、KDDIはサービス面でもこうしたユーザーをしっかりサポートしていく。新たに始めるauスマートサポートでは、24時間体制(23時~9時は事前予約が必要)で専任チームを置き、ユーザーの疑問に答える。1回8925円の別料金が必要だが、実際に男性スタッフが自宅を訪問し、使い方や設定方法をアドバイスする「スマホ訪問サポート」もここに含まれる。このほか、ガイドブックのプレゼントや、iPhone 5、URBANOのレンタルなどもセットにした。

 こうしたサービスを充実させたのは、「日本におけるスマートフォンの普及率が5割を超えるタイミングになってきている」(田中氏)ためだ。「お客さんとのリレーション強化」(同)を行い、今までスマートフォンへの乗り換えをためらっていたユーザーの移行を促す構えだ。リアルな生活との接点を強化するという点では、ぴあとの提携によって内容を充実させ、タイムライン形式にUIを一新させたauスマートパスもこの流れの中にある施策となる。

●ラインアップの絞り込みと、エリア誤表記の関係

 夏商戦の4機種というラインアップは、田中氏が「はっきり言うと絞った」と述べているように、ドコモやソフトバンクと比べても非常少ない。ここには、「LTE開始時にたくさん出したが、そんな経験で1機種1機種をしっかり販売したい」(同)という反省もあるようだ。言葉は濁しているものの、ニュアンスからは、8機種同時に発売した秋冬モデルの売れ行きが大きく偏ってしまっていたことがうかがえる。また、「商戦期も、特に夏から年末にかけてはダラッとしている」(同)。夏は、冬春商戦よりも端末を訴求しにくい時期でもある。

 とは言え、KDDIは春モデルもINFOBARの1機種しか発売していない。冬モデルが徐々に在庫を切らしていく中で、全4機種とiPhoneというラインアップは、どうしても選択肢が少ないように感じられる。それ以上に、端末のバリエーションが“手堅いモデル”に集中していることが心配だ。例えば、ドコモを見ても“ツートップ”にはハイエンドの「GALAXY S4 SC-04E」を据えている一方で、もう1機種はXperia Zよりも持ちやすさを重視した4.6インチのXperia Aを選出している。ツートップ以外でも、コンパクトと高機能を両立させた「Optimus it L-05E」や「AQUOS PHONE si SH-07E」などに加え、「らくらくスマートフォン2 F-08E」といったシニア向けモデルまであり、ラインアップの幅は広い。

 同様に、ソフトバンクモバイルもフラッグシップとしてAQUOS PHONE Xxや「ARROWS A 202F」がある一方で、「シンプルスマホ 204SH」や「AQUOS PHONE ss 205SH」「DIGNO R 202K」といったミッドレンジの機種も取りそろえている。スマートフォンの普及率が上がっているとはいえ、KDDIの普及率は昨年度末でまだ37%。この段階で、バリエーションを絞るのは時期尚早いうのが率直な印象だ。iPad、iPad miniはあるが、「3M戦略」の要の1つであるマルチデバイスを実現するためには、タブレットのような画面の大きな端末への取り組みも足りていない。

 田中氏はラインアップの絞り込みの原因がiPhoneであることを否定していたが、最近の店頭の状況も合わせて考えると、ソフトバンク以上に売りやすい、そしてMNPでユーザーを獲得しやすい「Apple製品偏重」と受け止められても致し方ない状況だ。戦略として、日本では特に人気の高いiPhone、iPadに集中するというのも1つの選択肢だ。だが、iPhone偏重はキャリアにとってのアキレス腱もなりかねない。そして、LTEの実人口カバー率の誤表記に対して消費者庁から措置命令を受けたことも、根本的な原因の一端はここにあると見ている。

 その1つが、ネットワークの進化と端末の進化が、歩調を合わせられないこと。iPhone 5やiPadは、ふたを開けてみるとKDDIがLTEの基盤バンドにしようとしていた800MHz帯に対応していなかった。そこで同社はiPhone 5とiPadで唯一利用できる2.1GHz帯のLTEを、急速に整備してきた。計画的に前もって準備を進めてきた800MHz帯より、エリアが狭くなるのは当然だ。ただ、同じiPhone 5を持つソフトバンクとの競争上、人口カバー率を数値だけで比較され、数が独り歩きしたくないという思惑があった。当時、本連載で取り上げたインタビューからも、このような考えが見え隠れする。そのため、今に至るまで人口カバー率、エリアマップ、基地局数はすべて「非公開」(KDDI広報部)となっている。

 ところが、KDDIは2.1GHz帯の75Mbpsの実人口カバー率を96%と誤表記してしまった。もちろん、これは事実と異なる。結果として消費者庁から措置命令を受けたため、同社は条件をそろえ「75Mbpsの実人口カバー率」が14%という限定的な情報を明らかにした。ただ、96%と14%の落差はあまりに大きく、数字は独り歩きしていく。発表後の各種報道を見ても、「iPhoneのLTEは実人口カバー率が14%」と誤解を与えるものが少なくなかった印象を受ける。KDDIが今、この誤解を解くためには、2.1GHz帯の実人口カバー率を公開する以外の選択肢はないだろう。それは、競合他社よりユーザーを向いているという姿勢を示すことにもなるはずだ。

 そもそも、iPhoneが、Androidのようにキャリアのネットワークに合わせて作り込めればこうした問題は起きなかった。だが、それは現実的に不可能で、iPhone 5では2.1GHz帯のみの対応となった。また、iPhoneはAppleの端末という位置づけで、ネットワーク以外の条件は他社と横並びになる。であれば、「選べる自由」を掲げたときのように、KDDIは「iPhoneはあくまでラインアップの1つ」という位置づけを貫き、本当に75Mbpsの実人口カバー率が96%を超えているAndroidを全面に打ち出した勝負をすべきだった。

 最初から「LTEのエリア整備はこれからでも端末として魅力があるiPhone」という正直な売り方をしていれば、他社との比較を恐れ、2.1GHz帯の実人口カバー率だけを非公開にする必要もなかっただろう。iPhoneとAndroidでエリアが異なることを、同じ基準で比べた数値を出し、きちんと説明していれば誤表記のしようもなかった。主力に据えたiPhoneに注力しすぎるあまりに、ユーザーよりもソフトバンクとの競争に目が行きすぎてしまった――夏商戦の寂しいラインアップと2.1GHz帯のLTE問題は、根底でつながっているように思えてならない。

●OSの急激な進化も踊り場か? Google I/Oから見え隠れしたGoogleのメッセージ

 Googleは、5月15日から17日(現地時間)にかけ、開発者向けイベントの「Google I/O」を開催した。ここ数年は、Androidの新バージョンやNexusシリーズが発表されていたこともあり、開催前には数々のウワサが飛び交っていたが、ふたを開けてみると、今年のGoogle I/Oは、“開発者のためのイベント”という本来の趣旨が色濃く出たものだった。

 4時間近く続けられた基調講演では、Google マップやGoogle+のリニューアルに加え、定額のストリーミング音楽サービス「Google Play Music All Access」が発表された。まず、Google マップはデザインや機能を一新する。Android版のUI(ユーザーインタフェース)は、現在iPhone向けに提供されているものに近くなり、画面上部に検索のウィンドウが、画面左下には位置情報を取得するボタンが置かれる。各種メニューは右下に表示されるといった具合だ。「Google Earth」との連携もシームレスになる。

 Google マップのプロダクトマネージャー、Berni Seefeld氏が「あなたにとってと、私にとってのランドマークが異なる」というように、Google+の情報に基づき、オススメされる地図上の情報も異なる仕組みだ。デザインは画面サイズごとに異なるが「機能は完全に統合されている」(同)といい、タブレット向けにも同様のものが提供される見込みだ。マップのリニューアルは、夏を予定している。

 対するGoogle+は、Web版のレイアウトを3カラム表示に変更。写真を大きく見せるなど、大胆なデザインを採用した。また、自動で写真を編集する機能を新たに搭載。すでにAndroidには撮った写真を自動でアップロードする機能が備わっている。これと組み合わせると、アップロード、編集、公開という流れが、すべてGoogle+上で完結するようになる。一方で、先に挙げたように、Google+の情報はGoogle マップのパーソナライズにも使用される。また、プロダクトマネージャーのBradley Horowitz氏が「SNSを超えたもの」と述べているように、Google+はGoogle Play Music All Accessや、開発者向けに発表された「Google Play game services」の基盤にもなっている。SNSとしてはイマイチ盛り上がりに欠けるように見えるGoogle+だが、各種サービスをつなぐプラットフォームになろうとしているようだ。

 Google Play Music All Accessは、月額9.99ドルで楽曲が聞き放題になる、定額の音楽ストリーミングサービス。楽曲の編集や、パーソナライゼーションにも対応するが、残念ながら現時点では日本では利用できない。

 このほか、Google I/Oの基調講演では開発ツールの「Android Studio」や、位置情報、プッシュ配信に関する開発者向けAPIの数々が発表された。ユーザーの目線で見ると盛り上がりに欠ける印象も受けるが、Google I/Oは本来、開発者向けのイベント。Androidは2013年に年間9億アクティベーションを超えるプラットフォームで、端末も数多く世に送り出されている。新バージョンのOSや、端末を発表するより、むしろそれらに依存しない発表の方が開発者にとってはメリットも多い。実際、Google I/Oに参加していた数名の開発者に話を聞いたが、評判は決して悪くなかった。Androidも数の上ではトップシェアの地位が固まり、iOSに及んでいないアプリのエコシステムを重視し始めたといったところなのかもしれない。

 新たにAndroidとChrome OSの両方を統括することになったSundar Pichai氏が基調講演の冒頭で2つのOSを挙げ、「開発者にとって十分スケーラブルなオープンプラットフォーム」と述べていたように、当面はこれがGoogleの主力となりそうだ。ウワサされていた両OSの統合も、まだ先になりそうだ。
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「石野純也のMobile Eye」バックナンバー石野純也のMobile Eye(4月30日~5月10日):ソフトバンク夏モデルと“最強のネットワーク”の中味/au LTEエリア化の今後厳選4モデル! KDDI、auスマートフォンの2013年夏モデルを発表関連ワード:Google KDDI iPhone au HTC ツイート!function(d,s,id){var js,fjs=d.getElementsByTagName(s)[0],p=/^http:/.test(d.location)?'http':'https';if(!d.getElementById(id)){js=d.createElement(s);js.id=id;js.src=p+'://platform.twitter.com/widgets.js';fjs.parentNode.insertBefore(js,fjs);}}(document, 'script', 'twitter-wjs');コメント0


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ライコネンのヘルメットに
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